
WebカメラとiPhoneで始めるVTuber向けバーチャルプロダクション「CamSpace 3 Essential」日本提供開始
VTuberの配信や映像の品質は年々高まり、視聴者が求める演出のハードルも上がっています。カメラを動かすカメラワーク、背景との自然な合成、キャラクターの動きのトラッキング。これらを個人や小規模チームが揃えるには、これまで高額な機材と専門知識が壁になっていました。
この課題に向けたツールとして、Unreal Engineベースのバーチャルプロダクションプラットフォーム「CamSpace 3 Essential」が、2026年6月16日から日本国内で提供されています。iPhoneによるカメラトラッキングに対応し、上位構成ではWebカメラでのモーションキャプチャーも利用できます。

製品概要
| 項目 | CamSpace 3 Essential | CamSpace 3 Essential + Red Pill Go |
| ベース | Unreal Engine | Unreal Engine |
| カメラトラッキング | iPhone + CamVerseアプリ | iPhone + CamVerseアプリ(併用) |
| モーションキャプチャー | 非対応 | Webカメラ + Red Pill Go + CamSpace |
| 対応する動き | – | 全身・上半身・ジェスチャー |
| リップシンク | – | マイク入力に対応 |
| 映像出力・連携 | NDI / Spout、USBビデオキャプチャ | NDI / Spout、USBビデオキャプチャ |
| 提供開始 | 2026年6月16日 | 2026年6月16日 |
| 価格(税込) | 年額29,800円 / 月額2,980円 | 年額59,800円 / 月額5,980円 |
iPhoneでカメラの動きを仮想空間へ
CamSpace 3 Essentialの中核は、実際のカメラの動きをバーチャル空間に反映するカメラトラッキングです。iPhoneにCamVerseアプリを入れ、取得したカメラの動きや位置情報をPC上のCamSpaceへ送ります。これによりバーチャル空間のカメラワークが、実際のカメラの動きと連動します。
固定視点にとどまらず、ドリー、クレーン、ハンドヘルドのように前後・左右・上下へカメラを動かす立体的な見せ方が可能になります。Free-Dカメラトラッキングにも対応し、リアルとバーチャルのカメラワークを同期させた制作を想定しています。
トラッキング機材を使わない場合は、バーチャルカメラモードが用意されています。レンズの焦点距離やカメラ設定、動きの軌道をシミュレートしながら、バーチャル空間内でカメラワークを設計できます。
Red Pill Goで加わるモーションキャプチャー
キャラクターの身体を動かすモーションキャプチャーは、上位構成のCamSpace 3 Essential + Red Pill Goで利用できます。標準的なWebカメラ、Red Pill Go、CamSpaceを連携させる構成で、専用のスーツやセンサーを身につけずに動きを取得します。なお、CamSpace 3 Essential単体ではボディトラッキングとモーションキャプチャーに対応しません。
全身と上半身の動き、ジェスチャーをバーチャルキャラクターに反映でき、マイク入力によるリップシンクにも対応します。複数キャラクターでのコラボ配信も想定されています。
固定カメラでの配信や収録であれば、Webカメラを中心とした構成でそのまま運用できます。さらにiPhoneとCamVerseアプリを併用すると、キャラクターの動きとバーチャル空間のカメラワークを組み合わせた、動きのある演出にも広げられます。
制作環境を支える機能群
バーチャルプロダクションに必要な機能が、ひとつの環境にまとめられています。
- Unreal Engineによる高品質なリアルタイムレンダリング
- グリーンバックを使ったクロマキー合成(色、アルファ閾値、カットオフを調整可能)
- NDI / Spoutによる映像の送受信と外部ソフトウェアとの連携
- glTF / GLBモデルのインポート(3Dモデル、背景、小道具、AIツールで生成した素材など)
- USBビデオキャプチャ対応によるマルチカメラ撮影とリアルタイム合成
- プリセットを備えた、短時間で制作を始められるワークフロー
glTF / GLB形式の取り込みに対応しているため、自作の背景や、AIで生成した3D素材を組み込んだ独自の空間づくりも選択肢になります。
まとめ
カメラの動きはiPhone、キャラクターの動きはWebカメラ。手元にある機材を足していく設計で、バーチャルプロダクションとモーションキャプチャーの入口を並べて用意している点が、CamSpace 3 Essentialの特徴です。
固定カメラの配信から始め、iPhoneを加えてカメラワークを広げ、必要に応じてモーションキャプチャー対応構成へ。段階を踏んだ導入ができることは、VTuberの表現を磨いていく個人や小規模チームにとって、制作環境を整える現実的な選択肢になりそうです。
詳細は製品の公式サイト(www.camspace.jp)で案内されています。
