
1台のカメラで撮影した動画からモーションデータを取得できるマーカーレスモーションキャプチャーの進化が続いています。ドイツのMeshcapade社は、デジタルヒューマンプラットフォーム「Meshcapade」のモーションキャプチャーコンポーネント「MoCapade 3.0」をリリースしました。単眼動画1本から最大4人の同時キャプチャーに対応し、手指の繊細な動きの再現精度向上やカメラトラッキングデータのエクスポートなど、実制作への活用を意識した機能拡充が行われています。
MoCapade 3.0 概要
| 項目 | 内容 |
| 製品名 | MoCapade 3.0 |
| 開発元 | Meshcapade社(ドイツ) |
| 方式 | 単眼動画からのマーカーレスモーションキャプチャー |
| 同時キャプチャー人数 | 最大4人(Proプラン) |
| エクスポート形式 | GLB、MP4、SMPL |
| 対応ツール | Unreal Engine、UEFN(Unreal Editor for Fortnite)、Blender、Maya |
| 料金 | Freeプラン(無料)/Proプラン(月25ユーロ)/Enterpriseプラン |
| 公式サイト | https://me.meshcapade.com/from-videos |
MoCapadeとは
MoCapadeは、Meshcapade社が提供するデジタルヒューマンプラットフォームのモーションキャプチャーコンポーネントです。動画をアップロードするだけで全身のモーションデータを生成できるWebベースのサービスで、専用のスーツやマーカー、複数台のカメラは不要です。
同社のアバター技術は、創立者らが米国特許を取得したSMPL(Skinned Multi-Person Linear model)フォーマットをベースに開発されたパラメトリック3Dボディモデルを採用しています。今回のバージョン3.0では、複数人の同時キャプチャーをはじめとする複数の新機能が加わりました。
MoCapade 3.0の主な新機能
最大4人の同時キャプチャー
1本の動画に映る最大4人のモーションを同時にキャプチャーし、それぞれをアバターとして生成できます。動画のアップロード後に「Multiple people」を選択するだけで実行できます。複数人が登場するダンス・演技・スポーツシーンなど、これまで単眼動画では対応が難しかった用途への活用が広がります。なお本機能は通常Proプランが必要ですが、リリース時点では期間限定で無料でテストできます。
手指の細かな動きとジェスチャーの再現精度向上
手指の細かな動きやジェスチャーの再現精度が向上しています。足の接地感の改善も行われており、全身の動きをより自然に再現できるようになりました。
カメラトラッキングデータのGLBエクスポート
動画からモーションをキャプチャーする際に生成された3Dカメラの動きをGLB形式でエクスポートできます。エクスポートしたカメラはワールド座標での推定モーションとシーン内の人物の推定モーションを含んでおり、バーチャルプロダクションや映像制作でのカメラワーク活用にも応用できます。
SMPL形式のサポートと各種プラグイン
SMPL形式によるエクスポートに対応し、アバターやモーションデータをコンパクトに保存できるようになりました。Unreal Engine用プラグイン・UEFN(Unreal Editor for Fortnite)用プラグイン・Blenderアドオン・Maya用プラグインが配布されており、既存の制作環境に組み込みやすい設計になっています。また、オープンソースのPythonライブラリ「smplcodec」も公開されており、SMPLモデルのエコシステムをより広く活用できるようになっています。
プランと料金
MoCapadeはFreeプラン・Proプラン・Enterpriseプランの3種が用意されています。
| プラン | 動画の長さ | アバター生成数 | 複数人キャプチャー | 料金 |
| Free | 10秒まで | 最大5体 | 非対応 | 無料 |
| Pro | 30秒まで | 最大50体 | 対応(最大4人) | 月25ユーロ(約3,910円) |
| Enterprise | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 対応 | 要問い合わせ |
まとめ
今回は、Meshcapade社の「MoCapade 3.0」について紹介しました。
単眼動画からの最大4人同時キャプチャーは、これまでのシングルモーション取得という制約を大きく超えるアップデートです。手指トラッキングの精度向上やSMPL形式への対応、主要ツールとのプラグイン提供など、個人クリエイターから制作スタジオまで幅広い用途への対応が意識されています。Freeプランで手軽に試せる点も、導入のハードルを下げる要因となるでしょう。単眼動画から始められるモーションキャプチャーの選択肢が増える中で、MoCapade 3.0はそのひとつとして注目されています。
