モーションキャプチャーがフィットネスに。mocopiの新たな活用事例「Avatar Fit Party」とは

VTuber活動やメタバース表現のツールとして注目を集めてきたソニーのモバイルモーションキャプチャーシステム「mocopi」が、エンターテインメントの枠を超えた新たな活用事例として登場しています。都築電気とソニーマーケティングが共同で開発したスマートフォン向けフィットネスサービスプラットフォーム「Avatar Fit Party(アバターフィットパーティ)」です。

モーションキャプチャーといえばスタジオや専門的なコンテンツ制作の現場で使われる技術というイメージが根強いですが、mocopiの小型・軽量というハードウェアの特性が、フィットネスという日常的な領域への応用を可能にした事例として、業界の視野を広げる一例といえるでしょう。

目次

mocopiとは

mocopiは、ソニーが開発したモバイルモーションキャプチャーシステムです。頭・両手首・腰・両足首に装着する6つの小型センサーを使い、手軽に3Dでのフルボディトラッキングを実現します。スマートフォンと連携することで全身の動きをリアルタイムでデジタル化でき、アバター制作・VTuber活動・メタバース空間での表現など多様な用途に対応しています。

光学式モーションキャプチャーのように専用スタジオや大型機材を必要とせず、日常的な空間でも使用できる点がmocopiの大きな特徴です。

Avatar Fit Partyとは

「Avatar Fit Party」は、ソニーのXR(Extended Reality)技術と都築電気の開発技術を組み合わせた、スマートフォン向けの新しいフィットネスサービスプラットフォームです。mocopiの6つのセンサーを身体に装着し、専用のモバイルアプリとスマートフォン・テレビを連動させることで、自宅にいながら本格的なフィットネスレッスンをオンラインで受講できます。

最大の特徴は、参加者が自身のアバターを使って参加する点です。カメラを使わないため自分の顔や部屋が映ることはなく、部屋着やノーメイクのままで参加できます。画面上に表示されるアバターの動きをインストラクターがリアルタイムで確認しながら声をかけてくれるため、カメラなしでも対面に近い自然なやり取りが可能です。mocopiがユーザーの動きをリアルタイムで読み取ってアバターに反映するため、自分の動きを客観的に確認しながらレッスンを受けることができます。

また、レッスンの強度(METs)などから計算された消費カロリーがログとして記録される機能も備わっており、継続的な運動管理にも対応しています。

このサービスの開発背景には、ソニー主催のアイデアコンペ「mocopi Winter Camp」での取り組みがあります。都築電気は2023年に医療・介護業界向けの健康増進ゲームのプロトタイプを開発し、事業部長賞を受賞。これを機にフィットネス領域での新規ビジネス推進を本格化し、今回の発表に至っています。

Avatar Fit Partyが解決する課題

「ジムに通う時間がとれない」「着替えやメイクが面倒」「1人だと運動のモチベーションが続かない」「フィットネス動画では継続できない」など、自宅での運動継続に課題を感じている人は少なくありません。

「Avatar Fit Party」はこうした課題に対して、アバターを介したオンライン参加というアプローチで応えています。プライバシーへの配慮と、インストラクターとのリアルタイムなやり取りによるモチベーション維持を両立した点が、これまでのオンラインフィットネスとの大きな差別化ポイントといえます。デスクワークで運動不足を感じている人や、健康増進を目的に手軽な運動習慣を身につけたい人にとって、参加のハードルを下げる設計となっています。

モーションキャプチャーが日常に入り込む意味

「Avatar Fit Party」の登場が示すのは、モーションキャプチャーという技術がコンテンツ制作の現場だけでなく、人々の日常生活の中に入り込む可能性です。

mocopiはそのコンパクトさと手軽さゆえに、スタジオ外での活用に適しています。フィットネスという用途はその典型例であり、受講者の動きをトラッキングしてリアルタイムでフォームのフィードバックを行うといった展開は、今後さらに精度・機能ともに発展していくことが予想されます。開発の発端となった医療・介護・リハビリといった領域への応用も、生活密着型サービスとしての広がりとして期待されます。

モーションキャプチャーはこれまで「専門家が使う技術」という位置づけが強くありましたが、小型・軽量なデバイスの普及とスマートフォンとの連携によって、その垣根は着実に下がりつつあります。「Avatar Fit Party」はその流れを体現した事例のひとつといえるでしょう。

まとめ

今回は、mocopiを活用したフィットネスサービスプラットフォーム「Avatar Fit Party」を通じて、モーションキャプチャー技術の新たな活用領域について紹介しました。

VTuberやメタバース向けのツールとして普及が進むmocopiですが、その応用先はエンターテインメントにとどまりません。フィットネス・医療・教育など、身体の動きを必要とするあらゆる場面にモーションキャプチャーの可能性は広がっています。こうした日常領域への展開が進むことで、モーションキャプチャー技術そのものの認知や活用の幅がさらに広がっていくことが期待されます。

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