ソニー、Blenderをライブパフォーマンスの舞台に──mocopiリアルタイム連携プラグインが解禁!

ソニーは2025年6月、同社が開発・販売するモバイルモーションキャプチャシステム「mocopi」と、オープンソース3DCGソフトウェア「Blender」をリアルタイムで連携させる無償プラグイン「mocopi Receiver Plugin for Blender」を正式にリリースしました。これにより、従来の手法では必須だった中継ソフトの使用や、BVHファイルの手動インポートといった複雑な作業を経ることなく、mocopiで取得した動きを即時にBlenderのキャラクターへと反映できるようになりました。

本プラグインの導入によって、センサーを装着して動くだけで、Blender上の3Dキャラクターがリアルタイムに連動して動作する環境が実現します。まるでキャラクターが“生きているかのように”動き出すこの体験は、ライブパフォーマンスやインタラクティブ制作に取り組む多くのユーザーにとって、大きな利便性と創造性の拡張を意味します。

目次

スマートフォンとセンサーで完結する軽快なセットアップ

mocopiは、わずか6つのIMUセンサーとスマートフォンアプリで構成された軽量なモーションキャプチャシステムです。各センサーの重量は約8gと非常に軽く、全身に装着しても動きの自由を妨げることはありません。アクションやダンスなど動きの激しいパフォーマンスにも耐える設計となっており、家庭でも外出先でも、専用スタジオを必要とせず高精度なモーションデータを取得できる点が大きな特徴です。

今回リリースされたBlender用プラグインは、スマートフォンのmocopiアプリで取得したモーションデータをWi-Fi経由でPCへ送信し、Blender上で受信するという仕組みを採用しています。通信にはOSCプロトコルが用いられており、遅延の少ないリアルタイム通信が可能です。これにより、ライブ配信中でも動きのタイムラグを感じさせない、スムーズなキャラクターアニメーションが実現されます。

受信したモーションデータは、Blenderのアドオンによってキャラクターのアーマチュアへ即時にリターゲットされ、ユーザーはモデリング・ライティング・レンダリングといったBlenderの豊富な機能と連動させながら、自由度の高い表現が可能になります。

インディーからプロスタジオまで、幅広い活用シーンに対応

このプラグインの登場により、mocopiの用途はさらに広がりを見せています。VTuberのライブ配信、映画制作におけるプリビズ、さらには教育・研究分野に至るまで、多様な制作現場での導入が期待されているのです。

●VTuberやライブ配信の現場で

OBS Studioや合成ソフトと併用すれば、Blender上で動くキャラクターの映像をそのまま配信用コンテンツとして利用することが可能です。ワイヤレス環境での自由な動きが許されるため、演者はステージ上を歩きながら表現を行うことができ、パフォーマンスの幅が大きく広がります。視聴者とのリアルタイムなインタラクションにも対応し、より没入感のあるライブ体験を届けることができます。

●プリビズ・アニマティクスにおける即時演出確認

映画やゲームの制作現場では、演出家やアニメーターがその場で動きを確認しながら、カメラワークやキャラクター演技の指示を行うケースが増えています。このようなプリビズにおいても、mocopiとBlenderの連携は高い効率を発揮します。リアルタイムな動作反映により、演出意図を即座に画面上で再現できるため、試行錯誤の回数を減らしつつ、完成度の高いシーン設計が可能となります。

●教育・研究の現場での活用

これまでモーションキャプチャは、高価な光学式カメラなどの設備を導入する必要があり、一部の研究機関や制作スタジオに限られていました。しかし、mocopiの登場により、一般的なPCとBlenderがあれば、手軽に人体の動作解析やインタラクティブな授業コンテンツが実現できるようになりました。スポーツ科学や身体表現の研究においても、有益なデータ取得手段として注目されています。

セットアップも簡易で即利用可能

「mocopi Receiver Plugin for Blender」は、現在ソニーの公式開発者サイトにて無償で提供されており、ユーザーはZIP形式のファイルとして簡単にダウンロードすることができます。対応するBlenderのバージョンは4.2以降と明記されており、最新環境での動作が保証されています。

また、本プラグインの導入手順や使用方法をわかりやすく解説した公式動画も公開されており、初めてBlenderを扱うユーザーでも、手順に従えばすぐにリアルタイムキャプチャの環境を構築できる設計となっているため、専門的な知識がなくとも、すぐに使い始められる導入のしやすさは、本プラグインの大きな魅力のひとつといえるでしょう。

まとめ

「mocopi Receiver Plugin for Blender」は、わずか数分のセットアップで、全身のリアルな動きをBlenderのアニメーションに直接取り込むことができる画期的なツールです。これまで、プロ仕様のモーションキャプチャ環境とされていたリアルタイムキャプチャの世界が、一般ユーザーにも開かれる時代が到来しました。

スマートフォンとセンサー6点というコンパクトな構成ながら、高価なスタジオ機器に匹敵する実用性を持ち、リアルタイムプレビューにより反復作業の効率化が図れるこのシステムは、多忙な映像制作者やライブパフォーマーにとって心強い味方となるはずです。

これからの表現活動において、mocopiとBlenderは単なるツールではなく、“創造の起点”として機能していくことでしょう。手のひらサイズのセンサーが描き出す動きの一つ一つが、よりダイレクトに表現へと結びつく新時代が、今まさに幕を開けています。

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