2022年のモーションキャプチャシステム世界市場に関する株式会社矢野経済研究所の調査結果によると、市場規模は事業者販売金額ベースで前年比110.0%増の約816億円と見込まれています。特にエンターテインメント分野では、映像関連の3DCG制作においてモーションキャプチャシステムが広く活用されています。
この調査では、株式会社矢野経済研究所がモーションキャプチャシステム世界市場を地域や国別、参入企業の動向などを含めて調査し、将来の展望を明らかにしています。
2022年のモーションキャプチャシステム世界市場規模は前年比110.0%の約816億円の見込(2022年時点)
エンターテインメント分野では、映像関連の3DCG制作手法としてモーションキャプチャシステムが活用される
モーションキャプチャは現実の動作をデジタルデータに変換する技術であり、関節などの身体動作をカメラやセンサーでキャプチャし、デジタルデータに変換・記録することで動作を数値的に可視化します。このシステムは「光学式、慣性式、磁気式」の3つのタイプが存在し、それぞれ異なる方法でモーションキャプチャを実現しています。
エンターテインメントやスポーツ、医療分野で既に利用されているモーションキャプチャシステムは、映像制作などの分野でも拡大が見込まれ、2022年の市場規模は前年比110.0%増の816億2,000万円と予測されています。光学式が最も進化しており主流である一方で、慣性式や磁気式も今後の技術発展や新領域での活用が期待されています。
エンターテインメント分野では、映画やテレビ、ミュージックビデオ制作においてモーションキャプチャシステムが広く活用され、需要の拡大が期待されています。同分野の国内モーションキャプチャシステム市場では光学式が大部分を占めており、慣性式も今後の技術開発に期待が寄せられています。特にXsens社の慣性式システムは成長が期待されています。
将来展望では、スポーツや医療分野への導入が続くだけでなく、エンターテインメント分野やVR/AR分野へのモーションキャプチャの導入が増加し、2020年から2025年までのCAGRが12.3%で成長し、2025年のモーションキャプチャシステム世界市場規模が1,204億4,200万円になると予測されています。2025年以降も新しい領域での発展や新たな活用方法が期待され、2030年には市場規模が2,173億円を超えると予測されています。
出典:株式会社矢野経済研究所「モーションキャプチャシステム世界市場に関する調査(2022年)」(2022年10月3日発表)