
2025年10月24日、ソニーのモバイルモーションキャプチャシステム「mocopi」と、Webカメラ1台で表情や手指までトラッキングできるアプリ「Webcam Motion Capture」が、正式に連携を開始しました。
この動きによって、従来mocopi単体ではカバーが難しかった“細かな表情・指の動き”を、Webカメラ+センサー構成で一括取得できるようになり、VTuber・ストリーマー・映像制作の現場において、1台構成でのモーションキャプチャ導入がさらに現実的な選択肢となりました。
連携の背景と狙い
mocopiは軽量センサーを身体各部に装着するだけで、全身6点または12点(プロモード)トラッキングを可能にする手軽なシステムです。一方、Webcam Motion CaptureはWebカメラだけで上半身・表情・手指をトラッキングするソフトウェアとして、VTuberコミュニティを中心に支持を得てきました。
両者が連携することで、「全身モーション+顔・手指モーション」の統合ワークフローが実現できます。これにより、センサー装着とWebカメラのセットアップを併用した収録環境が、より手軽かつ高表現力で構築可能となります。
連携内容のポイント
・Webカメラで取得した「顔・目線・まばたき・口の動き・手指の動き」を、Webcam Motion Capture上で処理。
・mocopiで取得した「全身トラッキングデータ」を同ソフトに取り込み、キャラクターアニメーション・ライブ配信・XRコンテンツに統合。
・両機能を同期させることで、1フローで全身+顔+手指を記録・再生可能。Webカメラの利点(非接触・セットアップ簡便)と、mocopiの利点(身体動作の精度)を組み合わせたハイブリッド構成です。
・価格/導入条件として、Webcam Motion Captureの月額利用プラン(例:月額199円)にて、統合機能はバージョン1.11.0 Early Accessとして提供開始。
導入メリットと活用シーン

この連携によって、以下のようなメリットが期待できます。
・VTuber・ライブ配信:軽装のmocopiセンサー+Webカメラという構成で、全身+表情+手の動きをリアルタイムに取得でき、演出の幅が大きく広がります。
・インタラクティブコンテンツ/XR演出:表情と手指の細かな動きが入ることで、アバター表現や仮想空間への没入感が向上。センサー装着だけでは捉えきれなかった“目線・口・手指”の動きもWebカメラで補足できます。
・小規模収録・リモートワーク環境:大掛かりなスタジオ設備を必要とせず、個人クリエイターやスタートアップでも高度なモーション収録が可能になります。
導入時の留意点
ただし、利用にあたってはいくつかの注意点もあります。
・Webカメラの設置環境(角度・照明・背景)によって顔、手指トラッキングの精度が左右されます。遮蔽物や暗所では精度低下の可能性があります。
・mocopiセンサー装着位置、安定性も収録精度に直結します。センサーのズレやドリフトは適切な校正、装着が前提となります。
・データ統合時には、Webカメラ側とmocopi側の時間同期、フレームレート、座標系の整合が必要となります。収録時には設定検証を事前に行うことが推奨されます。
・収録、配信時のPCスペック(特にGPUやUSB/カメラ帯域)も影響が出るため、推奨スペックを確認してください。
今後の展望
本連携は、軽量・ハイブリッドキャプチャ時代の幕開けとも言えます。mocopi側は本格トラッキング機能を提供し続けており、Webcam Motion Capture側も進化を重ねています。今後、以下の進展が期待されます。
・Webカメラ+mocopi以外のセンサー(例:手指専用センサーや顔表情専用カメラ)とのさらなる連携。
・リモート収録対応のクラウド同期機能や、VR/ARアプリケーション向けリアルタイム配信機能の拡充。
・AI補正や自動リターゲティング機能の強化による、より自然で自在なキャラクター表現。
・センサー数、トラッキング軸の増加や、屋外/広域収録への対応など、収録環境の多様化。
まとめ
mocopiとWebcam Motion Captureの連携は、「全身動作+顔+手指」というこれまで二つに分かれていたモーションキャプチャ要素を一つのフローで実現するマイルストーンと言えます。特にVTuberやライブ配信、インタラクティブXRという分野において、制作ハードルの低下と表現力の向上という相反する課題を見事に両立させる一手となるでしょう。
今後のアップデートやユーザー導入事例にも注目が集まります。
