HaritoraX 2:軽量ワイヤレスフルトラッキングスーツが拓くVRの新たな世界

VRやメタバースの浸透に伴い、よりリアルで没入感のある体験を実現するため、フルボディのモーションキャプチャー技術への注目が高まっています。株式会社Shiftallが開発した「HaritoraX 2」は、そのニーズに応えるべく設計された次世代ワイヤレスモーションキャプチャースーツです。

本記事では、HaritoraX 2の技術的な特徴、使用感、対応環境、そして活用シーンについて詳しく解説し、その実力と可能性に迫ります。

目次

進化したフルトラッキング:ワイヤレス×IMUセンサー

HaritoraX 2は全身に装着する複数の小型センサーから成るモーションキャプチャーデバイスです。各センサーには9軸IMU(慣性計測ユニット)が搭載されており、加速度・ジャイロ・地磁気の3種類のセンサー情報を融合して人体の動きをリアルタイムにトラッキングします。

9軸IMUの最大のメリットは、光学式のように外部カメラやマーカーが不要なため、ケーブルレスで自由な動きを実現できること。HaritoraX 2はワイヤレス通信で各センサーとPCまたはVRヘッドセットを接続し、広範囲かつ制限のない空間でのモーションキャプチャーを可能にします。

さらに、Shiftallの独自アルゴリズムにより、ジャイロセンサーのドリフト(誤差)を大幅に軽減。特に長時間使用時の角度ズレや位置ズレを抑え、安定したトラッキング精度を維持します。これにより、屋内外問わず安定したトラッキングが可能となっています。

LiDARセンサーによる足首トラッキングの革新

HaritoraX 2最大の特徴の一つが、すね部分に搭載されたLiDARセンサーです。これはレーザー光を使い、足首と床面との距離を測定するためのセンサーで、足首の上下左右の動きを正確にキャプチャー可能です。

従来のIMUのみのトラッキングでは足首や足の位置精度が課題となることが多く、VR内の足元の動きが不自然になりがちでした。LiDARセンサーを活用することで、追加のセンサーを増設することなく足の動きを高精度に取得し、リアルな足運びを実現。これにより、VR内での自然な立ち姿勢や歩行、さらには踊りやパフォーマンスでの足の動きを忠実に再現できます。

軽量かつ長時間駆動で快適な装着感を追求

装着感もHaritoraX 2の大きな魅力の一つです。胸部・腰部のセンサーは約17グラム、脚部センサーは約6グラムと超軽量設計。これにより、長時間のセッションでも疲労を感じにくく、快適に利用できます。

また、バッテリー駆動時間も充実しており、胸部と腰部のセンサーは約80時間、脚部センサーは約50時間の連続使用が可能(LiDARセンサーOFF時)。これだけの駆動時間があれば、充電の手間を気にせずに集中してVR体験に没頭できます。

センサーの装着には専用のフック付きベルトが用意されており、手持ち状態から約2秒で簡単に取り付け可能。身体の正面、背面、側面といった設置場所もユーザーの体型や動きに合わせて自由に調整できるため、最適な位置でトラッキング性能を最大化します。

肘トラッキング拡張セットでさらに自由度アップ

HaritoraX 2では、オプションの「肘トラッキング拡張セット」を使うことで、肘の動きを正確に捉えられます。これにより、腕の動作表現が格段に向上し、より自然で滑らかなモーションキャプチャーが可能になりました。

さらに、以前のHaritoraXシリーズを所有しているユーザーは、旧モデルの肘トラッカーをHaritoraX 2と組み合わせて使用することも可能です。ユーザーのニーズに応じてシステムを柔軟に拡張できるのは大きな利点です。

幅広いVRヘッドセット・アプリケーションと互換性

HaritoraX 2は多くのVRヘッドセットに対応しています。対応デバイスは以下の通りです。

・Meta Quest 2 / 3 / 3S / Pro

・PICO 4 / PICO 4 Ultra

・Valve Index

・HTC VIVE / VIVE Pro / VIVE Pro 2

・MeganeX / MeganeX superlight 8K

主要なVRプラットフォームやモーションキャプチャーソフトとも連携が取れており、VRChat、cluster、Virtual Motion Capture、VirtualCast、ChilloutVR、Resoniteなど、多様なVR体験でHaritoraX 2を活用可能です。

これにより、アバターの動きをリアルタイムで反映し、VRコミュニケーションやバーチャルパフォーマンス、ゲーム開発におけるモーション収録など、多彩な用途に応えます。

具体的な活用シーンと今後の展望

・VRコミュニケーション

 VRChatやclusterでの全身アバター表現がよりリアルになります。お辞儀や座る動作、腕立て伏せなどの細かい動きまで再現し、没入感が向上します。

・バーチャルライブ・イベント

 軽量かつ長時間駆動の特性を活かし、ライブ配信やイベントでのパフォーマンスの質が高まります。

・ゲームやアニメーション制作

 スタジオ設備不要のワイヤレスで手軽にモーション収録できるため、効率的な制作環境の構築に貢献できます。

将来的には、さらなるトラッキング精度の向上やセンサー数の拡張、AIによる動作補正技術の導入が期待されており、VRの表現力が一層強化されるでしょう。

まとめ

HaritoraX 2は、軽量かつ長時間使えるワイヤレスモーションキャプチャーデバイスとして、フルボディトラッキングの課題を多くクリアしました。LiDARを活用した足首トラッキングや肘拡張セットの導入など、実用性と拡張性の高さも特徴です。

これまで設置やケーブルの制約に悩んでいたユーザーにとって、HaritoraX 2は自由度の高いトラッキング環境を提供し、VR体験の没入感向上とコンテンツ制作の効率化に寄与するでしょう。

今後ますます盛り上がるVR市場において、その存在感は大きくなることが予想されます。

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