AIで簡単にモーションキャプチャができる日が来る!?

近年、人工知能の研究が進み人工知能ツールは猛烈なスピードで成長し、進化しています。siriやAlexaなどの音声アシスタントや自動車の自動運転アシスト機能、その他お掃除ロボットなど数多くの物にAIが使われています。

その中でAIを使ってモーションキャプチャ収録を行うことができるツールがいくつかリリースされています。今回その中から「Move.ai」に焦点を当てて、キャプチャスタジオと比べた時に、どのくらいの精度でキャプチャできるのかを見ていきたいと思います。

目次

Move.aiについて

「Move.ai」は、AIを使用したマーカーレス・モーションキャプチャを実現する革新的なツールです。一般的なスマートフォンのカメラとAI技術を利用してどのような環境でもキャプチャすることが可能です。また、モーションキャプチャスタジオのように特別なスーツを着用する必要がなく、マーカーを使わず簡単にセットアップすることができるので、プロのアニメーターから初心者まで幅広い層の人が利用することができます。

そんなMove.aiには現在「Move One」「Move Pro」「Move Live」と3つのプランがあります。3つのプランに共通している部分を表にしてまとめてみたので参考にしてみてください。他にもプラン毎に特徴が違うので1つずつ紹介していきます。

プランMove OneMove ProMove Live
使用媒体iPhoneのみウェブプラットフォームソフトウェアのみ
キャプチャ人数最大1人最大8人最大4人
キャプチャエリア最大5m×5m最大20m×20m最大10m×10m
FPS60FPS最大120FPS110FPS

1.Move One

「Move One」プランはiPhoneによるシングルカメラで撮影が可能です。上記の表以外に、手と指のキャプチャをすることが可能であり、解像度はHDで撮ることができます。出力できるデータ形式はFBX、USD、MP4の3種類から出力することができます。

MoveOneの注意点としてキャプチャできる時間に制限があり、最大で60秒の時間制限が設けられています。しかし場所を選ばず簡易的にキャプチャすることができ、MoveOneプランは無料で使うことができるので、モーションキャプチャに興味のある初心者の方には十分な機能が揃っています。

2.Move Pro

「Move Pro」プランは名前のとおり、先ほど紹介したMove Oneよりもプロのアニメーター向けのツールとなっています。出力できるデータ形式と手と指がキャプチャできるところはMove Oneと変わりませんが、Move Proにしかできない魅力があります。

そのMove Proの魅力は複数あり、最大8人までキャプチャすることができ、撮影可能エリアも最大20m×20mとかなり広い範囲で撮影することができます。

GoProやSony製品などのカメラを最大12台まで使うことができます。

また、撮影したデータは最大5GBまでアップロードすることができます。ここまでの容量を扱うことはあまりないとは思いますが、少しでも多くアップロードできるのはありがたいですね。

3.Move Live

「Move Live」プランは生放送、XR、ライブイベントにおけるリアルタイムでのモーションキャプチャを得意としています。初回セットアップに1時間かかるものの、撮影準備に必要なキャリブレーションは1分と非常に簡単に準備することができます。

リアルタイムでモーションキャプチャを行う時の遅延が100ms(0.1秒)とかなり少ない遅延で撮影することができます。

生放送やリアルタイムイベントに使用できることもあり、Move Liveで撮影したデータはUnreal Engine 5に直接読み込ませることができます。今後Unity間でもサポートが提供されれば、Move Liveをより多くの人が使いやすくなりそうですね。

Move aiとキャプチャカメラとの比較

Move aiの公式YouTubeチャンネルにて各キャプチャカメラと比較した動画が上がっています。どの程度の精度でキャプチャできるのか参考にしてみてください。

Move ai vs OptiTrack

Move ai vs Vicon

動画にある動きのように体を大きく動かす動作に関しては、従来のキャプチャ方法とAIを使ったキャプチャを比べてもほとんど違いがないということがわかります。

まとめ

今回は「Move ai」の提供する3つのプランにフォーカスしていきましたが、プロのアニメーターから初心者の方までいろいろな方が使えるツールになっていると思います。

ただし、Move ProとMove Liveは有料となっているので、まずはお試しとして無料で利用できる、MoveOneから始めてみるといいでしょう。

本格的に制作に取り入れる場合は、有料プランのMove Proのみになると思います。

仮にAIによるキャプチャが使われるようになったとしても、体の部位が重なる動きや、細かな動きなど現時点のAIの技術ではキャプチャすることは難しいので、使用用途によって使い分けていくことになるでしょう。

近い将来、AI技術の発展と共に、より気軽にキャプチャできるようになる時代がやってくるかもしれませんね。

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