特集 06:VRゲーム制作会社が設立したMyDearest モーキャプスタジオにフォーカス!

東京都内のモーションキャプチャスタジオの魅力に迫る「東京モーションキャプチャスタジオ特集」

今回はMyDearest株式会社様を訪問して、自社ゲーム開発の為に作ったモーキャプスタジオを支える新進気鋭のスタッフの皆さんの熱い想いを伝えていただきました!

スタジオを案内していただいたのは、モーションキャプチャスタジオスタッフの中島さんです。

Information

MyDearest株式会社 

スタジオ情報|https://mocapdb.com/studio/std1478/
〒103-0002
東京都中央区日本橋馬喰町2丁目7-15
ザ・パークレックス日本橋馬喰町5F(本社住所)
※スタジオは別住所になりますのでご注意ください。

目次

新進気鋭のスタジオの魅力を解説

本日はよろしくお願いします!さっそくですが、かなり広いスタジオですね!

はい、収録エリアは5.5m×5.5mの広々とした空間で、24台のカメラが取り囲むスタジオとなっています。

実は今まで自社開発のVRゲームのモーション制作のためだけに利用していました。

ただ、せっかく作ったスタジオを利用しない時期があるのは勿体ないと感じ、2023年9月頃から社外貸し出しのサービスを始めました。

▲スタジオ詳細は以下のとおり。

・収録エリア:5.5m×5.5m×高さ2.9m(収録可能エリアサイズ)
・カメラスペック:VICON Vero1.3X×24台
・同時収録は4名まで可能
・リモート収録、音声収録可能。クロマキー設備あり

カメラはなぜ“Vicon”なんでしょうか?

その理由は、モーションキャプチャーやモーションデザインの経験がある弊社スタッフが「リアルタイム表示の際に遅延がないことが重要」と考えた結果Viconに決めました。

カメラの台数も多いですが、何かこだわりはありますか?

正直「24台」というカメラの数だと、もっと広いエリアをキャプチャすることは可能です。

ただ、あえて収録範囲を狭くし、ノイズの少ない高精度のキャプチャ結果を出力することを重視して今の形になりました。

余談にはなりますが今後、Vtuberの方や歌唱やダンスのモーションを撮影する際の事を考え、高精度のキャプチャに加えて音響設備をより強化していきたいと考えています。

なので、モーキャプではない使い方をするスタジオとしても、しっかり使えるような設備を整えていきたいと思っています。

VRゲーム開発会社直営スタジオの特徴

次にスタジオの運営体制について教えてください

主なスタジオのスタッフは基本2名で運営しています。

私、中島はスタジオ運営や来客の案内を主に担当していて、実務はもう一人のスタッフが担当と役割分担しています。

収録時に関しては二人で、Shogunのオペレーションを行っていますね。

ではMyDearestさんだからこその特徴などはありますか?

特徴というと、自社でキャプチャ用のアクターを用意できる点は他と違いますかね。

MyDearestの中には演技経験者が在籍しているので、大がかりなアクションでなければ、その方々がアクターを担当し、お客様が負担する費用が抑えられるようにしています。

キャラクターの性別・体格・性格などを参考にして、担当のアクターさんを決定しているので、その辺りは我々独自のモーション制作術かなと思います。

それにMyDearestがVRゲーム開発会社で、VRゲームと相性の良い生の動きを活かしたドラマチックな演技に強いので、モーションそのものに対しても知見が深いです。

実際に現場で使えるものを提案することや監修が出来る点も魅力ですかね。

お客様に満足していただくために情報交換と改善の日々

スタジオ運営のために何か意識していることはありますか?

情報交換は大事にしていますね。

以前、スタジオ改善の為にモーキャプスタジオ運営スタッフの集まりに一度参加したのですが、やはり設備などの情報は企業秘密の部分が多かったんですよね。

なので日々の改善の種になるのは、収録で来られるディレクターやエンジニア、アクターさん方の『生の声』

いくつものスタジオの使用経験がある方々が「他のスタジオはこうなっていたよ」「この設備はよかった」といった現場の意見を言ってくださるので、情報交換をすることがスタジオの改善に繋がっていますね。

中島さんは実際にVtuberさんと撮影して、現場が和気あいあいとしていてスタッフも一緒に楽しませてもらいながら収録を行った経験から、モーションキャプチャーがもっと身近に感じてもらえるようなスタジオを目指しています。

Vtuberさんなどモーションキャプチャーをやったことがない方々と一緒に収録をしていく中で、どうすれば初めての人が撮りやすいと感じられるのかを、日々工夫しています。

これからモーキャプ業界が盛り上がり、技術水準が引き上げられていくように、情報交換が活発かつオープンにされるようになってほしいですね。

今後のスタジオ運営について

では今後の運営でこんな事をしていきたい!などはありますか?

MyDearestの貸し出しは、他のスタジオと比べても安く抑えられた価格帯になっているので、その点を活かしながら“色々なサービスやキャンペーンは定期的に行っていきたい”と思っています。

そして、新たな試みとしてリモートモーキャプというサービスを始めました。

リモートモーキャプでは、横と正面の映像をリアルタイムで確認しながら、キャプチャのディレクションが出来ます。

インディーゲームクリエイターや個人Vtuber・Vsinger、動画クリエイターの方々に積極的に利用していただきたいですね。

このサービスは利用料金がアクター費やオペレーター費も込みで、50,000円/30分。

MyDearestの社内にノウハウを蓄えた人材が揃っているからこそできるサービスと感じています。

中島さんに一問一答インタビュー!

ではここからは中島さんに一問一答のインタビューをして、スタジオについて深堀していきます。

このスタジオ設立の経緯を教えてください

前作の『DYSCHRONIA : Chronos Alternate』の開発が設立の大きな理由です。

開発の人員が元々は10人ぐらいから始まっていたんですけど、最終的には50人近くまで膨れ上がりその中で「クオリティもちゃんと出していきたいよね」っていう話になりました。

3章仕立てのゲームなのですが、最初の1章はほとんど手付けでモーションをつけていたんです。

ただやっぱり追いつかずに、開発が大変になってきて「だったらモーションキャプチャーできるようにスタジオを作っちゃおう」っていう話でスタジオを作りました。

会社としては思い切った凄い決断ではないですか?

弊社は、物語性と『人の心を揺さぶるゲームを作る』ということを目標にしているので、モーションキャプチャーとの相性が良いと感じて「もう入れるなら入れてしまおう!」という感じでしたね。

あとやっぱりVRとの相性が結構よかったんですよね。

平面の画面で見るゲームとは違い、VRゲームは実際にその空間にいるように感じるので、人物の動きとかも結構つぶさに観察できていろんな方向から見ることができるんですよ。

なので、リアルであればリアルであるほど違和感なくプレイヤーに没入感が出てくるっていうところがありますね。

またVRゲームでも、モーションキャプチャーを利用している会社さんは少ないので、そういった点も結構会社の強みになっていますね。

自社開発のモーション制作は、モーションアクターさんをお呼びして、収録したデータを修正しているのですか?

アクターに関しては、社内のディレクターやモーションの人間など様々な人がやったりしていますね。

やっぱりどういったキャラクターにしたいかとかは、作ってる本人がやるのが一番かと思って。

上手い演技というよりはリアルな生っぽい演技の方が、ゲームと相性が良いですし、少しダメだなってところがあっても後で修正も出来るので。

ダイレクトに出来るところは、デザイナーさんが直接やる方が良いと思いますね。

試行錯誤もたくさんあったと思いますが、その際のお話があれば教えてください。

上手く撮れないときや弊社内で撮影するとなったときは、ちょっと体格が似てるからとか、性格が似てるからとかで、中の人がコロコロ変わるんですね。

でも体形が人によって違うので、マーカーの位置を結構変えないといけなくて、そういったところで想定通りにならないとかが難しいですね

慣れてるアクターさんだと、自分である程度理解してマーカーを調整するなどのノウハウがあるのですが、弊社内のスタッフはまだその点が薄いので、苦労しますね…

あとは、性別や体格の都合で、男性が無理に女性っぽい動きをするとなんとなくすけて見えるおじさん感が出てしまったりとかして……(笑)

やっぱり性格とか年齢とかそういったものは、近い方がいいものが撮りやすいですね!

スタジオをこれからどのように活用されていきたいと考えていますか?

直近始めた「リモートモーキャプ」など、他のスタジオさんであまりやってないような、変わったサービスをいろいろ展開していきたいなって思っています。

弊社自体もゲーム会社でエンタメ色強いっていうところもあって、お堅い仕事っていうよりは、ちょっと面白い、ネタになるようなサービスをいろいろ展開していきたいと思っていますね。

なので、半年毎や季節毎とかに、何か面白いサービスを立ち上げたりキャンペーンやったりして、盛り上げていきたいです!

最後に、モーションキャプチャーのここが好き!というポイントを教えてください。

そうですね、手付けによるモーションでも派手で面白いものができるんですけど、派手じゃない細かい部分にモーションキャプチャーの良さが宿ると思っています。

一番その心を宿しやすいツールになっているなと。

なので、ゲーム作りの現場や他の動画作りの現場であったりとかで、どうしても派手じゃないけれども”大事な部分”っていうところをしっかり作れますね。 そこに人の心が宿るみたいなところがすごい好きだなと思っていますね。

最後に

今回の見学では、キャラと中の人の性格がマッチしているかを考えてアクターを変える話など、モーキャプに対して強い熱意を感じました。

日々改良を続け、進化し続けている新進気鋭のスタジオは、いかがでしたでしょうか?

業界関係者やモーキャプスタジオをお探しの皆さん、是非ご検討ください!!

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