特集 09:OptiTrackの正規日本総代理店 株式会社スパイスにフォーカス!

東京都内のモーションキャプチャスタジオの魅力に迫る「東京モーションキャプチャスタジオ特集」

今回はOptiTrackの国内販売を手掛け、最新式のモーションキャプチャースタジオも備えている株式会社スパイスに訪問して、OptiTrackの先駆者としての研究と挑戦について伺ってきました!

取材に対応してくださったのは、取締役や部長などスタジオ運営の中枢を担う3名の方々です。

・専務取締役 林 様
・執行役員 石原 様
・テクニカルサポートエンジニア 山田 様

Information

株式会社スパイス
スタジオ情報|https://mocapdb.com/studio/std1467/

〒107-0052
東京都港区赤坂2-14-5 Daiwa赤坂ビル3F
TEL|03-5549-6157

目次

最新式のOptiTrack製品を完備したスタジオ

赤坂ビルの一角に構えるスパイスさんのモーションキャプチャースタジオは、白を基調とした清潔感あふれるスタジオです。

キャプチャーエリアは、最大約10人を同時に取ることができる広さがあります。

カメラのOptiTrackに加え、指の細かな動きをキャプチャーできるグローブ、演者の表情まで撮影可能なフェイシャルキャプチャーにも対応。

スパイスさんは輸入代理店ということもあり、赤坂のスタジオは収録だけでなくショールームも兼ねている為、常に最新のOptiTrack製品を完備しています。

カメラやグローブのキャプチャーテストはもちろん、スタジオ内にカメラを設置できるポールやスタンド等を立てることで様々な用途に合わせたシミュレーションや、デモンストレーションを行うことが可能!

機材の販売からスタジオ収録だけにとどまらず、CG制作も行っているという数少ない会社。

新製品を試すだけでなく、撮影・収録・データ処理などの全工程をワンストップで制作することも可能です。

スタジオの有効キャプチャーエリアは幅10m×奥行き6m×高さ2m

主な機材はOptiTrack PrimeX41, PrimeX22等を40台程度、
収録キャプチャーグローブはManus Quantum Mocap Metagloves

※デモについては全ての取扱製品をお試し頂くことができます。

独自開発のフェイシャルキャプチャーをご紹介頂きました!

超軽量ヘッドマウントカメラ『BUNSHIN HMC』は送信ユニットからPCまでのケーブルが必要ないワイヤレス機能を搭載していて、日本でもなかなか認可が取りづらいという6GHz帯域の無線ユニットを使用。

これにより、ライブ配信はもちろん、アクロバットな動きやフェイシャルを撮影しながらダンスを行うなど幅広い演技が可能になりました。

また“使用者の負担をできる限り減らしたい“というコンセプトからカメラの重量は14g、全体で僅か280gと業界最軽量となっています。

さらに、たとえ暗く低照度な環境でもLED照明無しで良好なトラッキングをすることが可能となるWDR機能を搭載しており、目の前の照明がまぶしいというアクターさんの要望を解決しました。

このフェイシャルキャプチャ―は林さんが独自に製作しているそうで、だからこそ細かな要望が反映された、アクターフレンドリーな製品にすることができたのだと思います。

6Ghz帯域を使用した 「BUNSHIN HMC PRO」は本体価格2,420,000円(税込)で販売中。

より求めやすいモデルである「BUNSHIN HMC」は1,430,000円(税込)で購入でき、いずれのモデルも、より信頼性の高いワイヤードタイプが選択可能です。

▲OBS Studioでモーキャプと同時収録も可能
▲無線ユニットとバッテリーは腰に装着する。

どこでも持ち運び可能なフェイシャルスキャナー

▲高精細な3Dフェイシャルスキャンが可能な『Lumio3D』

スタジオとは別に2022年11月頃に販売開始された『Lumio3D』という高精細な3Dフェイシャルスキャナーのフェイシャル専用ルームがあります。

『Lumio3D』は高精細なテクスチャと3D測定を同時に行い、専用ソフトウェアで取り込み後、お客様のご要望に応じて各種フォーマットで出力が可能。

さらにクリーンナップして最短で翌営業日にデータお渡しも可能なので、お客様もありがたいですね。

利用用途としては、最近注目のデジタルヒューマンの作成が多く、多数のお問い合わせをいただいているそうです。

機材の出張サービスも可能ですが、頻繁に使用される予定がある場合は機材の販売も行っており、性能確認のための実機デモは無償で試せるので、一度ご検討してみてはいかがでしょうか。

実際のデモの様子を見せてもらいました!

東京ゲームショー2023にて、ゲームアクションや軟体芸、中国武術などのモーションキャプチャーの実演を行った際、OptiTrackのキャプチャ精度が想像をはるかに超えるほど高いという反響を数多く受けたそうです!

ゲーム会社のスタジオでは、まだまだOptiTrackの事例は少ないそうですが、フィンガーキャプチャー機材との併用もスムーズですし、精度がよく、スピーディにキャプチャーできるOptiTrackの今後は乞うご期待ですね。
https://mocap.jp/manus/
https://mocap.jp/stretchsense/

他にも2022年3月に島根県立浜田商業高等学校にモーションキャプチャー導入実績もあり、そのシステムで動かせる学校オリジナルCGキャラクターモデルの制作実績もあります。

スタジオの皆さんにインタビュー!

スタジオ設立のあらましを教えていただけますか?

当初は運良く湾岸の天井が高く広いスペースを確保できたので、OptiTrack製品を販売することを目的としたショールームスタジオを作ったのが始まりです。

部署の設立歴史からいうと、CG制作ルームができて、ユーザーとしてモーションキャプチャーを使い始めてから、モーションキャプチャー事業部ができました。
よってCG制作チームとの連携が増え、また、多くのご要望をいただいたことから、収録サービスも始めました。

戦略を立てて狙って始めたというよりは「できるかやってみようか」という試みから現在に至ります。

貴社スタジオの設備の特徴を教えてください。

最新のOptiTrackカメラを取り扱える点と、グローブやヘッドマウントカメラを使用し、全身+指+表情を同時に収録するパフォーマンスキャプチャーが複数人数同時にできる点は他のスタジオにはない特徴だと思います。また、社内にCG部があるため収録から制作までをワンストップで行える点です。

他にないような設備として、高精細な3Dフェイシャルスキャナー「Lumio3D」でリアル寄りのバーチャルヒューマンが制作可能なところも大きな特徴だと思います。

今後はどのような機材を導入していきたいですか?

弊社スタジオは取扱商品のデモの場でもあるので、分野を絞ることなくモーションキャプチャーの機材を幅広く扱っています。

それに加えて、お客様から「これがあったらいいな」という要望を受けて派生商品も扱っていきたいです。

また、自社のCG制作のサポートとしてのキャプチャーを行なっているので、そのために必要になった機材も導入していきたいと考えています。

小道具についても、フラメンコやタップダンスを収録したいお客様が足音を鳴らすための板を持参されたこともあり、スタジオに搬入できる範囲であれば自由に持ち込めるようになっています。

実は、収録後にお客様から頂いた小道具が、だんだんとスタジオ内に増えていっちゃってますね。

キャプチャースーツは自社で作っているのでしょうか?

はい。自社で作っています。

以前はOptiTrack製のスーツを販売していましたが、日本人にフィットするサイズ展開でないことから、日本人の体型にあったスーツ・サイズ感で自社製スーツを制作・販売するに至りました。また、カスタムメイドのスーツ(カラー・デザイン)も取り扱っており、主にVtuberのお客様からオーダーメイドで作って欲しいというご相談をよく受けております。

モーションキャプチャーに関する幅広い工程を一貫して引き受けられるとのことですが、貴社の得意な分野は何ですか?

スタジオについて言えば、多人数を同時に収録する大規模なキャプチャーですね。
必要に応じて、カメラを増設することもできます。

過去には床にカメラを追加してブレイクダンスをキャプチャーしたこともあります。

様々な案件に対応できるとのことですが、特に印象深かったお仕事のエピソードをお聞かせいただけますか?

一つ目は、あるバーチャルライブのフォーメーションダンスの収録です。

この時は一人のダンサーさんが、なんと一人で何役も収録をこなしていたんです。

ダンスの振り付けやキャラクター同士が触れ合うハイタッチなどのタイミングを自分でコントロールするセンスに脱帽しました。

また、そのダンサーさんが監督にその場で演技の提案をして、振り付けやMCにアドリブを加えてライブを盛り上げていく姿が印象に残っています。

二つ目は、出張キャプチャー案件での経験です。

キャプチャーの技術支援に駆けつけると、モーションキャプチャーで収録したアクターさんの動きをリアルタイムに透明なスクリーンへ投影するライブや、ドローンにカメラワークを記憶させてモーションコントロールカメラとして活用するMV収録のキャプチャーなど、なかなか経験できない興味深いお仕事に参加させていただくことができました。

モーションキャプチャーのここが好き!というポイントを教えてください!

光学式モーションキャプチャー特有の、個人ごとの動きの癖や特徴をつぶさに拾い上げられる部分を面白く感じています。

Motiveで処理するときのデータの段階で、どのアクターさんの動きか分かるところに、技術者特有の興味が掻き立てられますね。

最後に

今回スパイスさんの取材では、OptiTrackの国内販売をしているということで機材の性能を中心に、大変興味深いお話を聞くことができました!

数あるスタジオの中でも、通常の収録やキャプチャーデータ修正にとどまらず、機材の導入から最新の実機デモまで行えるので、これからモーションキャプチャー導入を検討したいという方は、一度スパイスさんに相談してみてはいかがでしょうか!

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