特集 02：国内外のプロフェッショナルが集結　DEFCON ZEROにフォーカス！

モーキャプDBで掲載されている都内のスタジオに直接訪問をし、取材を行う企画「東京モーションキャプチャスタジオ特集」第二弾！

今回は「SAFEHOUSE」からオープンしたモーションキャプチャスタジオ「DEFCON ZERO」に行ってきました！

クリエイティブに集中できる環境作り

スタジオ設計は、「SAFEHOUSE」に在籍するソヘイル・モハマッド氏が担当。
ソヘイル・モハマッド氏はアニメーション業界で14年の経験を持ち、『Crysis』シリーズ、『Strange Brigade』などの作品に携わり、『ウィッチャー3 ワイルドハント』ではアニメーションディレクターを担当。MEL、スクリプト、ストーリーボード、Motionbuilder、アニメーションに習熟していらっしゃいます。 アニメーション制作、設備設計の双方に精通している知識を活かしてキャプチャデータをクリーンアップする作業が軽く済むようなスタジオを目指しているとの事で、現役CGアニメーター目線でのスタジオ設計はデザイナー必見ですね！

・収録エリア：奥行き10m✕幅8m✕高さ2.6m（有効範囲：奥行き9m✕幅7m✕高さ2.2m）
・カメラ台数:：54台
・カメラスペック：OptiTrack PrimeX 13（130万画素）
・同時収録は7名程度まで可能
・マーカーレスのフェイシャルキャプチャ対応
・リモート収録可能

国内最大級のカメラ密度

スタジオの撮影エリアに対して通常の3倍ほどの密度になるように54台のカメラを設置。
国内のスタジオは日本語のドキュメントが充実しているVICONを導入している企業が多いですが、
「SAFEHOUSE」は外国籍やバイリンガルのスタッフが多いため、英語の文献が多いOptiTrackのPrimeX 13を問題なく採用できたそうです。

多くのカメラを使い死角をなくすことで高いクオリティのモーションを撮影することが可能とのこと。
また、本来であれば演者同士の距離が近いものは高い精度でキャプチャすることが難しいですが、DEFCON ZEROのスタジオ設計により、演者同士の距離が近いシーンをキャプチャすることが可能な点も魅力です。

DEFCON ZEROで出来ること

DEFCON ZEROではフェイシャルキャプチャも可能で、GoProカメラを使用したマーカーレス撮影ができます。
リモート撮影をすることも可能で、実際に関西の企業から案件を受けて、遠隔でやりとりしながら撮影を行った実績もあるそうです。 
またスタジオを東京都千代田区神田錦町に構えていることから、都内の方にもアクセスしやすい点も魅力の一つですね。

サウンド制作のグループ会社WHISTLERが併設しているため、モーションキャプチャ時にプレスコの同時収録が可能。モーションアクターさんの代わりに、実際の俳優さんに演技をしてもらうことで声と動きを同時に収録し、制作時間を短縮できるのは、利用したクライアントさんからも好評だったそうです。

お客様に満足していただくために

ーーークライアントの企業様が1.5日想定で初日70カット、2日目40カットの撮影を希望されていたのですが、スタジオを貸し出した時に撮影工程がスムーズに進まず、初日40カットにも届かず結果残り半日で80カット近くを残すことになりした。そこでお客様が1カットでも多く撮影が出来るよう、私が撮影のフローを見直してディレクションしたことで、結果16時までの撮影予定でしたが、15時には全て撮影することが出来、当時のお客様は非常に満足されていました。

ご依頼される会社様のモーション撮影は恐らく1チームにつき数年毎に数回程度の経験で、撮影の段取りを含めた経験や知見がなかなか貯まりにくいかと思います。その点我々は映像やゲーム会社の様々な要望に応えてきた経験値がある分撮影の段取りに関してもご要望があれば考えたりディレクションすることも可能です。

他にもいくつか質問をしてきました！

今後、どんな機材を導入していきたいとお考えですか？

現場でのデータプレビュー向けにバーチャルカメラシステムの整備を検討しております。

リモート撮影が可能との事でしたが、海外の企業から依頼される事はありますか？

海外の企業からは相談ベースでお話をいただいた事があります。

DEFCON ZEROスタジオが得意な分野を教えてください！

その豊富な経験やマーカー捕捉率の高さから、カットシーンのアクティングの撮影を得意としています！

これからどのような方とコンテンツを作っていきたいですか？

関係会社も座組に含め、作品作りについて多面的にご相談いただける会社様との共創の機会を心待ちにしております。

モーションキャプチャーのここが好き！というポイントを教えてください！

限られた空間で作品世界のディティール作りを大きく前進させる現場の、強い一体感です！ 

今後のスタジオ貸し出しについて

DEFCON ZEROの貸し出しについて現時点では日貸しのみですが、今後短時間のみ利用したい団体様や配信者などの個人で活動されている方など、お客様に合わせた短時間でスタジオを利用できる価格帯を作り、多くのお客様にスタジオを利用して欲しいと話していました。

DEFCON ZEROスタジオのチームは、お客様がよりクリエイティブな作業に時間を割いていただけるよう、作業工程や撮影方法の改善を提案したり、想定外のことがあっても丁寧にサポートしたりすることを心掛けているそうです。気になる方は一度相談してみてはいかがでしょうか。